前アルバム『By The Way』以来4年ぶりとなるニューアルバムは初の2枚組。

2枚組の大作をリリースするまでに4年間のキャリアの中断があったことは、バンドとしてのレッチリの成長についての問題を暗示しているようだ。当初はなんと、3枚組にできるほどの曲をレコーディングしていたという。トラブルメイカーとしての悪ガキぶりを売り物にパンクとファンクの融合の可能性を携え、80年代のメインストリームに切り込むオルタナティブ・ロック旋風に手を貸した彼らだが、20年ほどの歳月を経た今、パンクのエネルギッシュで生意気な部分はほぼ完全に姿を消し、ファンクのほとばしるようなリズムはこの2時間に渡る28曲のアルバムではかなり抑えられている。レッチリらしい男っぽく、時にマッチョなエッジは失われてはいないが、そのあたりは故意に控えめにして熟成した作品としている。ずっとメロウで時に内省的となっていて、クロスオーバー・ヒットとなった「Under the Bridge」に代表されるポップスの特性はないかもしれないが、ディスク1では「Snow」、「Wet Sand」、ジャズのようにクールな「Hey」といった曲が立派に花ひらいている。

 ・ amazon music : RHCP : Stadium Arcadium (2006) : ステイディアム・アーケイディアム

リック・ルービンをプロデューサーに迎えた9枚目のオリジナル・ニュー・アルバムは初の2枚組。レコーディングされた38曲から28曲に厳選した楽曲を2枚組として、リリース。
1stシングル「ダニー・カリフォルニア」はミディアム・テンポでメロディックな強力なファンク・ナンバー。その他にもアップ・テンポでポジティブなファンクなナンバーが目立つ。バンドの状態が非常に良いことがこれらの楽曲を聴くと良く分かる。ファンク色が強いのがこのアルバムの特色のひとつと言えるだろう。
その他にも、ジョンのギター・ソロが強力にフィーチャーされていることも、今作のもうひとつの特色である。

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ディスク:1
1. Dani California
2. Snow (Hey Oh)
3. Charlie
4. Stadium Arcadium
5. Hump De Bump
6. She’s Only 18
7. Slow Cheetah
8. Torture Me
9. Strip My Mind
10. Especially In Michigan
11. Warlocks
12. C’mon Girl
13. Wet Sand
14. Hey

ディスク:2
1. Desecration Smile
2. Tell Me Baby
3. Hard to Concentrate
4. 21st Century
5. She Looks To Me
6. Readymade
7. If
8. Make You Feel Better
9. Animal Bar
10. So Much I
11. Storm In A Teacup
12. We Believe
13. Turn It Again
14. Death of a Martian